粘弾性基礎講座
物体に外力を与えると変形や流動が生じます。
変形のしやすさを弾性、流れやすさを粘性といい、
高分子物体は弾性と粘性が共存している粘弾性という状態にあります。
物理的性質の三形態
弾性とは...
物体に外力を与えると力の方向に変形し、外力を除くと原形に回復する性質です。
特徴
- 外力を与えると同時に変形(ひずみ)が生じる。(図1)
ひずみとは物体の変形量と原形量の比をいう。(図2)
- 外力一定に対し、ひずみも一定である。(図1)
- 外力を除くと、同時にひずみも消える。(図1)
*ひずみ(変形):物体の変形量と元の形との比
粘性とは...
物体に外力を与えると力の方向にひずみが上昇し、外力を除くとひずみの上昇が停止するだけで回復しない性質。ひずみの上昇過程を流動という。
特徴
- 物体に外力を与えると、ひずみの上昇が始まる。(図3)
- 外力を一定に対し、一定速度でひずみが上昇する。(図3)
- 外力を除くと、ひずみの上昇が停止する。(図3)
粘弾性とは...
物体に外力を与えると時間経過に伴って変形し、外力を除くと原形付近まで回復してひずみが残る性質。
特徴
- 物体に外力を与えるとひずみが同時に生じる。(図4)
- 外力一定に対し、ひずみは減速しながら一定になる。(図4)
- 外力を除くとひずみが同時に減少する。(図4)
- さらに減速しながら一定値になる(ひずみは消えない)。(図4)
弾性の種類と状態
- 固体弾性:分子鎖が強く絡み合った物体の外力に比例する変形(ひずみ)。
- ゴム弾性:分子鎖が網目状態である物体の外力に比例する変形(ひずみ)。
- 液体弾性:分子鎖が緩く絡み合った物体の外力に比例する変形(ひずみ)。
ひずみと外力の関係
*直線領域のひずみが弾性変形
非直線領域が粘性流動
ゴムは弾性範囲が広い
粘性の種類と状態
- 固体粘性(剛性):外力を与えると流動が生じた固体。(塑性)
- ニュートン粘性:外力に比例して流動する液体。
- 非ニュートン粘性:外力に比例せずに流動する液体。
粘弾性の状態
固体弾性からゴム弾性または液体弾性へ移行する過程の状態。
温度に依存する:温度上昇に伴い弾性率が低下する。 [弾性率=外力/ひずみ]