サンプル測定
株式会社ユービーエム

〒617-0004
京都府向日市鶏冠井町四ノ坪30-11
TEL:075-935-1006
FAX:075-935-2823
E-mail:jdm04354@nifty.com

技術的なお問い合わせは
カスタマーサービス電話
TEL:075-935-1008 をご利用下さい。
概要
前節(2.クリープと応力緩和)の一定応力または一定ひずみを与える静的測定(図1)に対して、 動的粘弾性測定は高分子物体に与える応力とそれに応答するひずみが正弦波である。
図2は動的粘弾性測定の状態を示している。応力とひずみの位相(正弦波)が存在し、 両者の波形ピーク値と時間軸上における位相差(ひずみの遅れ)との関係から物体の粘性要素と弾性要素を測定することができる。
一方静的測定は、遅延時間や緩和時間という粘性率と弾性率の比が求まり、それぞれの数値は求まらない。静的測定と動的測定の大きな相違点である。 物体に与える正弦波の周波数や温度を変化させることにより、物体の応答がそれらに依存している傾向は、弾性率の連続的変化となって現れる。 依存傾向の違いは物体の内部構造と密接に関わっており、測定データから物体の分子構造に基づく材料特性を解明することができる。
測定原理(試料がフィルム形状の場合)
  1. 試料の両端を挟み、弛まないように荷重を与えて張りをつけたまま保持する。
  2. その状態で、試料と軸を介して繋がった加振機を駆動させると試料に動的応力が与えられる。
  3. 加振機の駆動により動的応力が刺激として試料に与えられ、それに応答して動的ひずみが試料に生じる。
  4. 動的応力と動的ひずみをそれぞれの検出器から電気信号に変換して出力すると二つの波形(位相)が時間軸上に並ぶ。(図2)
  5. 波形の応力ピーク値とひずみピーク値の比を動的複素弾性率E*(Pa)という。
  6. 動的複素弾性率E*は図4のようにベクトル直角三角形の斜辺に相当し隣辺と対辺をそれぞれ貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”という。
  7. 斜辺と隣辺の狭角δが応力波形とひずみ波形の位相差である。
物質の状態と位相差
位相差δは0~1/4π( 90°)の範囲内に現れ、0°に近い場合E”が極めて小さく、90°に近い場合E’が極めて小さいことが図4の関係からわかる。 貯蔵弾性率E’は物質が外力を受けることにより生じたエネルギーのうち物質内に入る成分、損失弾性率は物質外へ出る成分である。 位相差と関係するE’E”それぞれの相対比において、E’が大きいほど物質の状態は固体、逆にE”が大きいほど液体である。 但し上記の引っ張りは液体の測定はできないため、その場合、せん断による測定を選択する。 せん断の場合、3種引っ張り弾性率E*E’E”に対応する、せん断弾性率G*G’G”で表記する 固体は弾性体、液体は粘性体、E’とE”が比較的近い物質の状態が粘弾性体である。 E”/E’=tanδは損失弾性率E”に依存しており損失正接と言う。
[参考文献]
  1. やさしいレオロジー(産業図書発行 村上謙吉 著)
    第六章 典型的な粘弾性変形

  2. レオロジー入門(工業調査会発行 岡小天 編著)
    第八章 固体粘弾性